第49回全国大会 終了報告

2024年8月27日(火)から29日(木)の3日間にわたり,教育システム情報学会第49回全国大会を明海大学浦安キャンパスにて開催しました.まずは素晴らしい会場を快くご提供くださった明海大学の皆さまに,心より感謝申し上げます.また,参加者の皆さま,シンポジウム等の登壇者の皆さま,広告・展示・後援・協賛をいただいた企業・団体の皆さまに,厚く御礼申し上げます.

2020年から,完全オンライン形式と対面・オンラインのハイブリッド形式を2回ずつ経て,実に5年ぶりの完全対面形式での開催となりました.大会には367名,懇親会には160名の方にご参加いただき,大会が研究成果の発表を通じた学術的な交流の場として,また皆さまのご縁をつなぐ・深める機会として機能したものと思います.

大会初日には学会創設50周年を記念したシンポジウムを開催しました.異なる立場の4名のパネリストによる,人間の学習と機械による学習を対比した観点からの話題提供が行われるとともに,コーディネータや聴衆も巻き込み,AIとの共生社会に向けて学習者・教育者が何をすべきかについての熱い議論が展開されました.

また,大会2日目には高等学校での必履修化から20年を経た情報教育について,日本情報科教育学会との連携企画を開催しました.こちらの企画でも様々な立場の4名の登壇者からの話題提供と,コーディネータや聴衆を巻き込んだ建設的な議論を通して,改めて情報教育の重要性を認識するとともに,今後の情報教育に向けた重要な示唆が得られました.

これらのシンポジウム・企画は大会参加者以外にも公開され,オンラインでも配信することができ,多くの方にご参加いただくことができました.本大会を通じて,学会内外の多くの方々とこれらの議論から得られる知見を共有できたことをうれしく思います.

大会2〜3日目には,口頭(一般・企画)セッションとインタラクティブセッション,学生研究特別セッションが開催され,計159件の発表が行われました.発表申し込み時に選択していただく分野のうち,特に多く選択されたものは「先進的学習支援」,「スキル学習」,「プログラミング教育」,「学習者特性・行動分析」,「授業設計・インストラクショナルデザイン」でした.方法論的な観点とドメイン指向の観点が程よく混在しており,本学会の特徴をよく表しているように思います.また,記入いただいているキーワードでは,「適応的支援」,「生成AI」,「学習履歴分析」,「授業実践」「AI(人工知能)」などが多く見られました.技術的なものと実践に関するものがありこちらも本学会の特徴的なところかと思います.また,シンポジウムのテーマとも関係しますが,生成AIをはじめとする人工知能技術の活用に注目が高まっていることも,現在の研究動向をよく表しているように感じます.

今回は台風10号が接近する中,来場できなかった方もいらっしゃるかと思います.大変残念ではありましたが,次回の大会でお目にかかれることを楽しみにしております.

次回の第50回大会を,2025年8月30日(土)から9月1日(月)に早稲田大学早稲田キャンパスにて開催する予定です.第50回かつ学会創設50周年特別事業の締めくくりとなる記念すべき大会でもありますので,多くの方のご参加をお待ちしています.

末筆になりますが,今回の大会運営を担っていただいた佐々木文彦先生はじめ現地実行委員会の皆さま,学生アルバイトの皆さま,大会委員の皆さまの献身的なご尽力に心からの感謝の意を表して,この報告を終えたいと思います.

全国大会委員会 委員長 國宗 永佳(千葉工業大学)